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アゴーラ福岡山の上ホテル&スパ
鮨・日本料理「暦」
2022 年 10 月 25 日(金)より、鮨を中心とした料理を提供する鮨・日本料理「暦」の料理長 嶋田 大輔。
以前の職場で、懐石料理のレストランから鮨割烹に異動になったのが、鮨職人になったきっかけです。和食の基礎は既にできていたので、「せっかく鮨屋で働くのだから握りたい」という思いから、早い段階で練習を重ねました。初めてカウンターに立ってお客様の前で鮨を握った時は、緊張で手が震えたのを覚えています。当時は手元を見られたくなくて背を向けて握ったりしていましたね。
ネタとなる魚介類は、自ら長浜中央市場へ仕入れに行っています。シャリに使用する酢は、赤酢をより熟成させた粕酢です。この酢は福岡市内の鮨屋で極わずかな店舗でしか使用していないと思います。海苔は特上の有明産、シャリは、鮨に向いている東北産と九州産の米をブレンドしています。鮨はネタとシャリ、山葵と醤油のバランスが全てです。口に入った時に美味しく感じられる大きさ、食感がシンプルがゆえに難しい。だからこそ鮨は奥が深く、個性が際立つのだと思います。
鮨は素手で握って提供する唯一の料理と言っても過言じゃないでしょう。ですから、鮨ほど、お客様、食べる方に寄り添う料理はないと思っています。料理人としては、お客様が「美味しかった」と満足してくれることが何よりも嬉しいですね。さらに、カウンターで振舞う、お客様の目の前で握るからこそ、仕上げは大切にしています。
ですから、仕込み以上に仕上がりのフォルムと見た目の美しさにはこだわっていますので、ぜひカウンターで召し上がっていただきたいですね。
美味しいものを作ろうと思いながら手を動かせば、必然的に美味しい料理になると思います。素材を料理に昇華させる、それこそが料理をすることであり、料理人の手腕です。
結局は自分が食べて美味しいと感じるものを追求していくこと。そして、料理人の感性が最も出る料理が鮨だと思います。
【プロフィール】
2007年、中村調理製菓専門学校卒業後、JAL リゾートシーホークホテル入社。日本料理部宴会部門を経て、2010年、寿司割烹「纜」、2011年、会席レストラン「波羅門」に配属。揚場、焼き場、補助等、日本料理の調理全般を経験する。2015年、ヒルトン福岡シーホーク寿司割烹「ともづな」にリニューアルオープン時に異動。仕込み全般から発注業務のほか、主にカウンターで寿司や刺身を提供する。2021年 11月、株式会社C&G Value Design に入社。副料理長を経て 2022 年6月、アゴーラ福岡山の上ホテル&スパの日本料理「暦」の料理長に就任。鮨職人として、素材の美味しさを最大限に引き出すことを第一に捉え、シャリの風味や薬味、調味料といった「香り」や、「シンプル」に調理することを大切にしている。